介護の業務効率化|「書類が多すぎて利用者と話す時間がない」を解決するICT活用術

介護の業務効率化とは、介護記録・ケアプラン作成・請求事務・シフト管理・申し送りなどの間接業務をICT(情報通信技術)で効率化し、介護スタッフが「利用者と向き合う時間」を増やすことです。

厚生労働省の調査では、ICT導入により文書作成時間が30〜60分短縮され、88%の事業所が情報共有の改善を実感しています。2026年4月には「介護情報基盤」が本格稼働し、ICT活用はもはや「選択肢」ではなく「前提条件」になりつつあります。

1. 【実録】介護スタッフ3人の「本音」

これまで50社以上の中小企業や介護施設のDXを支援してきたサモテクは、ICT導入の前に必ず現場スタッフへヒアリングを行います。そこから見えてきたリアルな3人の声を紹介します。

Aさん(介護福祉士・8年目): 「利用者さんとゆっくり話したいのに、記録が終わらなくてそれどころじゃない。1人の記録に10分、20人分で3時間以上。手書きだから当然です」

Bさん(ケアマネジャー・5年目): 「ケアプランを作るのに、同じ情報をアセスメントシート、サービス計画書、提供票に3回書いています。コピペですらなく手書きです」

Cさん(施設長・3年目): 「シフト作成に毎月2日間かかる。15人分の希望と法定基準をExcelで調整するんですが、限界です。その時間があれば利用者のご家族との面談に使いたい」

セクションまとめ: 3人に共通する悩みは「紙と手書きに時間を取られて、本来の『介護』の仕事ができていない」ということです。これは個人の処理能力の問題ではなく、事業所に「デジタル化された仕組み」が存在しないことが根本原因です。

この記事では、この3人の悩みをすべて解決した具体的なICT導入の解決策を順に解説します。

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2. 介護現場の「時間泥棒」ランキング

介護スタッフの業務時間のうち30〜40%が間接業務(書類作成・記録・申し送り・シフト管理)に費やされています。以下の5つが最も時間を食っている「時間泥棒」であり、いずれもICTで大幅に削減可能です。

順位時間泥棒月間消費時間(1人あたり)ICTで削減可能か
1介護記録の手書き40時間✅ タブレット入力で70%削減
2申し送り15時間✅ チャット共有で50%削減
3ケアプラン関連書類12時間✅ 介護ソフトで60%削減
4シフト作成8時間(施設長のみ)✅ 自動シフトで80%削減
5介護報酬の請求事務10時間✅ ソフト自動計算で70%削減

3. 解決策①:介護記録のタブレット化(Aさんの悩みを解決)

Before

手書きの記録用紙に、利用者20人分の食事・排泄・入浴・バイタルを毎日記録。1人10分×20人=1日3時間20分。夜勤明けに記録が溜まり、残業が常態化。

After

iPadの介護記録アプリ(ほのぼのNEXT / カイポケ等)で、選択式のタッチ入力。食事量は「全量・8割・5割・少量」をタップ。バイタルは数値入力のみ。

項目BeforeAfter
1人あたりの記録時間10分3分
20人分の合計3時間20分1時間
月間削減46時間

導入のコツ: 最初は「食事記録だけ」をタブレット化。1週間慣れてから排泄→入浴→バイタルと順番に追加する。一度に全項目を切り替えるとスタッフが混乱する。

4. 解決策②:申し送りのチャット化

Before

夜勤→日勤の申し送りに30分。紙のノートに書いて、口頭で補足して、聞いた人がまた自分のメモに書き写す。

After

Google Chat(またはLINE WORKS)で、夜勤中に要点をテキスト送信。日勤スタッフは出勤前にスマホで確認。口頭の申し送りは「判断が必要な案件」のみに限定。

項目BeforeAfter
申し送り時間30分/回10分/回
月間削減(1人あたり)10時間

5. 解決策③:ケアプラン関連書類の一元化(Bさんの悩みを解決)

Before

アセスメントシート→サービス計画書→週間計画表→提供票、すべて手書きで作成。同じ利用者名・疾患名・サービス内容を4回書く

After

介護ソフト(ほのぼのNEXT / カイポケ / ワイズマン等)でアセスメントを1回入力すれば、サービス計画書・提供票が自動生成。ケアプランデータ連携システムで他の事業所とも電子的に共有。

項目BeforeAfter
ケアプラン作成時間2時間/人45分/人
月間削減(ケアマネ1人・担当30名)37.5時間

6. 解決策④:シフト作成の自動化(Cさんの悩みを解決)

Before

Excelに15人分の希望を手入力→法定基準(夜勤の回数・休日数)を確認→調整→変更依頼→再調整。月2日間を費やす。

After

シフト管理ソフト(シフトボード / ジョブカン勤怠 / CWS等)で、スタッフがスマホで希望を入力→ソフトが法定基準を満たすシフトを自動生成→施設長が微調整。

項目BeforeAfter
シフト作成時間16時間/月3時間/月
月間削減13時間

セクションまとめ: 記録のタブレット化、申し送りのチャット化、ケアプランの一元化、シフトの自動化。これら4つの解決策を導入するだけで、事業所全体で月間100時間以上が削減され、その時間をまるごと「利用者と向き合う時間」に再投資できます。

7. 導入費用と補助金

介護現場のICT導入は「介護テクノロジー導入支援事業」の補助金を活用すると、導入費用の50〜75%が補助されます。2025年度は過去最大規模の予算が計上されており、中小規模の事業所でも十分な投資が可能です。

ツール月額目安補助金活用後の実質負担
介護ソフト(カイポケ等)月5,000〜15,000円月1,250〜3,750円
iPad(3台)初期15万円実質3.75〜7.5万円
シフト管理ソフト月3,000〜5,000円月750〜1,250円
チャットツール無料〜月500円/人無料〜月125円/人

補助金のポイント: LIFE(科学的介護情報システム)への対応が補助率75%の条件になっています。介護ソフト選定時にLIFE対応かどうかを必ず確認してください。

セクションまとめ: 介護ソフトやiPadの導入には、手厚い補助金(最大75%)が用意されており、実質的なコスト負担は非常に小さく済みます。「予算がない」は全くボトルネックになりません。

8. よくある質問(FAQ)

Q1. 高齢のスタッフがタブレットを使えるか心配です。
入力を「選択式のタップ」にすれば、文字入力は最小限で済みます。支援先では60代のスタッフも1週間で慣れました。最初は「食事記録だけ」に限定するのがコツです。

Q2. 利用者のご家族が「紙の記録」を求める場合は?
介護ソフトからPDFで出力し、印刷してお渡しできます。デジタル化は「紙をなくす」ことが目的ではなく「作成時間を減らす」ことが目的です。

Q3. 小規模事業所(10名以下)でも導入すべきですか?
はい。むしろ小規模事業所こそ効果が大きいです。スタッフ1人が担当する利用者数が多いため、記録時間の削減がダイレクトに「利用者と過ごす時間」に変わります。

Q4. 個人情報の管理は大丈夫ですか?
クラウド型介護ソフトは、医療・介護に特化したセキュリティ基準を満たしています。紙の記録の方が紛失・盗難のリスクが高く、デジタル化はセキュリティ面でもメリットがあります。

Q5. LIFE(科学的介護情報システム)とは何ですか?
厚生労働省が運営する、介護サービスの科学的な分析・評価のためのデータベースです。LIFE対応の介護ソフトからデータを送ると、サービスの質の評価フィードバックが得られます。2024年の介護報酬改定でLIFE活用が加算要件に組み込まれています。

9. まとめ:ICTは「利用者と向き合う時間」を作る道具

項目内容
介護の時間泥棒Top5記録(40h)、申し送り(15h)、ケアプラン(12h)、シフト(8h)、請求(10h)
ICT導入の効果月間100時間以上の削減(事業所全体)
最も効果が大きい施策介護記録のタブレット化(月46時間/人の削減)
費用月1〜2万円+iPad初期費用(補助金で50〜75%補助)
3人のスタッフの今Aさん「利用者と話す時間が増えた」、Bさん「同じことを3回書かなくなった」、Cさん「シフトに2日かけていたのが半日に」

今日から始める9分間アクション:

  1. 3分: 自事業所のスタッフに「一番時間がかかっている事務作業は?」と聞く
  2. 3分: カイポケ(kaipoke.biz)のサイトで「無料体験」に申し込む
  3. 3分: 「介護テクノロジー導入支援事業 補助金」で検索し、都道府県の窓口を確認

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