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業務効率化の進め方|失敗しない5ステップと「効果が出る目標」の作り方
まず、3つの質問に答えてみてください。
- ❶ 「業務効率化をやりたい」と思い始めてから、何ヶ月経っていますか?
- ❷ 具体的に「最初に何をやるか」は決まっていますか?
- ❸ 「成功したかどうか」を判断する数字の基準はありますか?
❶が「3ヶ月以上」で、❷と❸が「No」なら…
あなたはまさに「業務効率化がうまくいかない会社」の典型的なパターンにハマっています。
安心してください。サモテクが50社以上の中小企業を支援してきた中で、最初から正しい進め方を知っていた会社は1社もありません。 全員「何から始めたらいいか分からない」からスタートしています。
この記事では、「分からない」を「やるべきことが明確」に変える5つのステップを、自社の状況を書き込みながら読み進められるワークシート形式で解説します。
読み終わる頃には、❷と❸の答えが手元に揃っているはずです。
「自社に合った進め方を、プロと一緒に設計したい」という方はこちら。
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全体像:業務効率化の5ステップ
まず全体像をお見せします。詳しくは各ステップで解説しますので、ここでは「どこに向かうのか」のマップとして眺めてください。
Step 1: 業務の棚卸しをする
↓
Step 2: 「最も痛い業務」を1つ選ぶ
↓
Step 3: 数字で目標を設定する
↓
Step 4: 改善策を実行する(スモールスタート)
↓
Step 5: 効果を測定し、次の業務に展開する
所要期間の目安: Step 1〜3は最短1日。Step 4は1〜2週間。Step 5は2週間後。つまり、1ヶ月で「業務効率化の第1サイクル」が完了します。
「1ヶ月」と聞くと長く感じるかもしれませんが、このサイクルを1回回すだけで月10〜20時間の業務が消えるのが、サモテクの支援先での標準的な成果です。
Step 1:業務の棚卸しをする(所要時間:2〜3時間)
なぜ棚卸しが必要なのか
業務効率化で失敗する会社の90%に共通することがあります。それは、
「何に時間がかかっているのか、正確に把握していない」から。
「経理が大変」「書類作業が多い」という感覚はある。しかし、「経理のうち仕訳に月何時間、請求書に月何時間」と答えられる経営者はほとんどいません。
感覚に頼ると、声の大きい人の業務から手をつけることになり、本当のボトルネックを見逃します。
📋 ワークシート①:業務棚卸し表
以下の表を、自社の業務に置き換えて埋めてみてください。全部埋める必要はありません。日常的に繰り返している業務だけでOKです。
| # | 業務名 | 頻度 | 1回の所要時間 | 月間合計 | 担当者 | 手作業の割合 | ストレス度(1-5) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 例:仕訳入力 | 毎日 | 30分 | 10時間 | 社長 | 90% | ★★★★ |
| 2 | 例:請求書作成 | 月1回 | 3時間 | 3時間 | 社長 | 100% | ★★★★★ |
| 3 | |||||||
| 4 | |||||||
| 5 | |||||||
| 6 | |||||||
| 7 | |||||||
| 8 |
ポイント:
- 「ストレス度」を入れているのは意図的です。時間だけでなく「感情的なコスト」も重要。嫌な業務ほど先送りになり、結果的にさらに時間がかかるからです
- 15分以上かかる業務はすべて書き出す。「小さい仕事」が積み重なっていることに気づきます
「どんな業務を書き出せばいいか分からない」という方は、50個のアイデアリストをヒントにしてください。
👉 事務・経理の業務効率化アイデア50選|明日から使えるAI活用と仕組み化の具体例Step 1のゴール: 「自社の繰り返し業務」と「それぞれにかかっている時間」が一覧になっている状態。
Step 2:「最も痛い業務」を1つ選ぶ(所要時間:30分)
「全部やりたい」は最大の落とし穴
棚卸し表ができると、「これも直したい、あれも直したい」と欲が出ます。しかし、一度に複数の業務を変えようとした会社は、ほぼ全社が途中で挫折しています。
サモテクの支援先で「3つ同時に着手した会社」の成功率は20%未満。一方、「1つだけに絞った会社」の成功率は85%以上です。
📋 ワークシート②:優先度判定マトリクス
棚卸し表から上位5つの業務を選び、以下の基準で点数をつけてください。
| # | 業務名 | A: 月間時間 | B: 手作業率 | C: ストレス度 | D: 自動化の容易さ | 合計点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| (10h=10点) | (100%=10点) | (★5=10点) | (簡単=10, 難=2) | A+B+C+D | ||
| 1 | 例:請求書作成 | 3 | 10 | 10 | 8 | 31 |
| 2 | 例:仕訳入力 | 10 | 9 | 8 | 9 | 36 ← 最優先 |
| 3 | ||||||
| 4 | ||||||
| 5 |
合計点が最も高い業務 = 「最初に手をつけるべき業務」です。
よくある「最優先業務」のパターン
サモテクの支援先100社以上で、Step 2で選ばれた業務のTOP 5はこちらです。
| 順位 | 業務 | 選ばれた割合 |
|---|---|---|
| 1位 | 仕訳・記帳 | 28% |
| 2位 | 請求書の作成・送付 | 22% |
| 3位 | メール対応 | 18% |
| 4位 | 日程調整 | 15% |
| 5位 | 経費精算 | 10% |
つまり、約半数の会社が「経理系業務」を最優先に選んでいます。
経理業務の効率化に絞った具体的な手順はこちら。
👉 経理の業務効率化|中小企業・一人社長が「手作業ゼロ」を実現する全手順Step 2のゴール: 「最初にやる業務」が1つだけ決まっている状態。
Step 3:数字で目標を設定する(所要時間:30分)
「効率化する」は目標ではない
「業務を効率化する」は目標ではなく「願望」です。目標は数字で書けるものだけです。
ここではSMARTの法則を使って、「効果が出たかどうかが一発で分かる目標」を作ります。
SMARTの法則とは
| 要素 | 意味 | ダメな例 | 良い例 |
|---|---|---|---|
| S – Specific(具体的) | 何を改善するか | 「経理を効率化する」 | 「仕訳入力を自動化する」 |
| M – Measurable(測定可能) | 数字で測れるか | 「業務を減らす」 | 「月10時間 → 月2時間にする」 |
| A – Achievable(達成可能) | 現実的か | 「来週から全自動」 | 「1ヶ月後にクラウド会計に移行完了」 |
| R – Relevant(関連性) | 事業の成果に繋がるか | 「社内のフォルダを整理」 | 「経理を自動化して月8時間を営業に回す」 |
| T – Time-bound(期限付き) | いつまでか | 「そのうち」 | 「3月末までに」 |
📋 ワークシート③:SMART目標シート
Step 2で選んだ業務について、以下を埋めてください。
■ 対象業務: ___________________(例:仕訳入力)
■ 現在の所要時間: 月 _____ 時間
■ 目標の所要時間: 月 _____ 時間
■ 削減率: _____%
■ 達成期限: _____ 年 _____ 月 _____ 日まで
■ 浮いた時間の使い道: ___________________(例:新規営業に充てる)
最後の「浮いた時間の使い道」が最も重要です。 時間を削減しても、削減した時間が「なんとなく消える」のでは意味がありません。「浮いた月8時間で新規営業を3件やる」まで決めて、初めて「目標」になります。
Step 3のゴール: 「いつまでに・何を・どのくらい減らし・浮いた時間を何に使うか」が1文で書ける状態。
Step 4:改善策を実行する(所要期間:1〜2週間)
改善策を3つに分類する
Step 2で選んだ業務に対して、改善策は大きく3つに分類できます。
| 分類 | 内容 | コスト | 効果の大きさ | 例 |
|---|---|---|---|---|
| ① やめる | そもそもその業務をやらない | 0円 | ★★★★★ | 不要な報告書の廃止、過剰な確認プロセスの撤廃 |
| ② 仕組みを変える | 業務のやり方・順番・担当を変える | 0円 | ★★★★ | 月末まとめ処理→毎日5分処理に変更 |
| ③ ツールを入れる | クラウドツールやAIで自動化する | 0〜数千円/月 | ★★★★★ | クラウド会計、ChatGPT、経費精算アプリ |
重要: 多くの人が③から始めますが、正しい順番は① → ② → ③です。
「やめられる業務はやめる」→「やり方を変えられる業務は変える」→「それでも残る手作業をツールで自動化する」。この順番を守るだけで、ツール導入の効果が2倍以上になります。
改善策の判断フローチャート
その業務、本当に必要?
├── No → ① やめる(コスト0円・効果MAX)
└── Yes
↓
やり方を変えれば短縮できる?
├── Yes → ② 仕組みを変える(コスト0円)
└── No
↓
ツールで自動化できる?
├── Yes → ③ 無料ツールから試す
└── No → 現状維持(今は手をつけない)
ツールを入れる場合のルール
- 必ず無料プラン or トライアルから始める
- 導入にかける時間は最大2時間まで。それ以上かかるツールは自社に合っていない
- 1つの業務に1つのツール。複数ツールを同時に入れない
無料で使えるツールの具体的なリストはこちら。
👉 業務効率化の無料ツール10選|予算ゼロでも「月15時間」取り戻す実践ガイド有料ツールも含めたフル比較はこちら。
👉 業務効率化ツール15選|中小企業が「本当に使える」おすすめを目的別に厳選Step 4のゴール: Step 2で選んだ業務に対して、①やめる ②仕組みを変える ③ツールを入れる のいずれかの改善策を実行に移している状態。
Step 5:効果を測定し、次の業務に展開する(所要時間:1時間)
2週間後に必ずやること
改善策を実行して2週間後、以下の数字を記録してください。
📋 ワークシート④:効果測定シート
■ 対象業務: ___________________
■ 改善策の内容: ___________________
■ 導入前の月間所要時間: _____ 時間
■ 導入後の月間所要時間: _____ 時間(2週間の実績 × 2で算出)
■ 削減時間: _____ 時間/月
■ 削減率: _____%
■ 時給換算の削減コスト: _____ 円/月(削減時間 × 時給)
■ 年間換算: _____ 円/年
「次にどの業務に着手するか」の判断
Step 1の棚卸し表に戻り、合計点が2番目に高い業務に着手してください。これをPDCAサイクルとして繰り返します。
経験的に、3つ目の業務を効率化し終わる頃には、会社全体の「改善する文化」が根づいています。 ここまで来ると、社員が自発的に「この業務もツールで変えられませんか?」と提案してくるようになります。
Step 5のゴール: 「効果が数字で証明された」状態 + 次の改善対象が決まっている状態。継続改善のPDCAが自然に回りだす。
「進め方が分からない」会社がよく陥る3つの失敗パターン

失敗①:「業務全体を変えようとする」
一度に5つ以上の業務を変えようとして、どれも中途半端に終わるパターン。サモテクの支援先でも、社長が意気込みすぎて「来月から全部クラウドに移行する!」と宣言した会社がありました。結果、社員が混乱してツールの使い方を覚える前に挫折。
正解: 1つだけ。たった1つの業務を、完璧に効率化してから次に進む。
失敗②:「目標を数字で設定していない」
「もっと効率的にしたい」と言い続けて、半年経っても「効率的になったかどうか分からない」パターン。目標が曖昧だと、成功も失敗も判断できません。
正解: Step 3のSMARTシートを埋める。「月10時間 → 月3時間」のように、数字でゴールを書く。
失敗③:「合わないツールを我慢して使い続ける」
「せっかく導入したから」と、使いにくいツールを我慢して使い続けるパターン。1週間使って「しっくりこない」なら、それは自社に合っていないサインです。
正解: 1週間で判断する。合わなければ、同じカテゴリの別ツールに切り替える。ツールは世の中に山ほどあります。
3つの失敗に共通する根本原因: 「業務効率化 = ツール導入」だと思い込んでいること。業務効率化の本質は「業務を見直すこと」であり、ツールはその手段にすぎません。
業務効率化の進め方に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 業務効率化は社長1人でも進められますか?
はい。一人社長の場合はむしろ「決断 → 実行」のスピードが速いため、効率化の効果が出やすいです。サモテクの支援先でも、一人社長の方が平均1.5倍のスピードでStep 1〜5を完了しています。
一人社長向けの効率化はこちら。
👉 一人社長が真っ先にやるべき業務効率化5選
Q2. 社員に協力してもらうにはどう説明すべきですか?
「ラクになる」ではなく「あなたの時間が〇時間浮く」と数字で伝えてください。さらに、浮いた時間を「休憩に使ってもいいし、早く帰ってもいい」とセットで伝えると協力度が劇的に上がります。「効率化 = もっと働かされる」という不安を潰すことが先決です。
Q3. 効率化の成果が出るまでどのくらいかかりますか?
Step 4の実行から2週間で最初の成果が見えます。ただし「目に見えて大きな変化を実感する」までは1〜2ヶ月。3つ目の業務の改善が終わる頃には「もう前のやり方には戻れない」と感じるはずです。
Q4. 業務効率化に使える補助金はありますか?
はい。クラウドツールの導入費用やDX推進のためのコンサルティング費用などが補助対象になる場合があります。
補助金の全制度と申請のコツはこちら。
👉 業務効率化の補助金・助成金【2026年最新】中小企業が使える全制度
Q5. 「DX」と「業務効率化」の違いは何ですか?
業務効率化は「既存の業務をより速く・安く・正確にすること」。DXは「デジタル技術を使ってビジネスモデル自体を変革すること」。業務効率化はDXの第一歩であり、まず効率化をしてから本格的なDXに着手するのが正しい順番です。
DXとの違いはこちらの記事で詳しく解説しています。
👉 業務効率化とは?DXとの違いと中小企業が最初に取り組むべき3ステップ
まとめ:「進め方」さえ分かれば、業務効率化は失敗しない

この記事の冒頭で3つの質問をしました。
- ❶ 何ヶ月経っていますか? → 今日で終わりにしましょう。
- ❷ 最初に何をやるか? → Step 2のワークシートで決まりました。
- ❸ 成功の数字は? → Step 3のSMARTシートに書きました。
業務効率化が「うまくいかない会社」と「うまくいく会社」の違いは、能力でも予算でもありません。「正しい進め方を知っているかどうか」、ただそれだけです。
今日のアクション:
- Step 1のワークシートに、自社の業務を5つ書き出す(15分)
- Step 2のマトリクスで、合計点が最も高い業務を1つ選ぶ(10分)
- Step 3のSMARTシートに、目標を1行で書く(5分)
30分で準備は完了します。あとは来週月曜日から、Step 4を始めるだけです。
「ワークシートは埋めた。でも改善策の選び方やツール選定は専門家と相談したい」
そんな方は、サモテクの無料相談をご活用ください。
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